子育て中歯科医の雑記帳

30代前半の歯科医師です。2歳ほどの息子の育児中。育児情報・お出かけ・美容ダイエット・歯について。

子どもの歯科矯正は必要?目的やメリット

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仕上げ磨きの度に見る子どもの歯。子どもの歯並びや噛み合わせについて、気になっているかたも多いのではないでしょうか。今回は歯科矯正治療の、目的やメリットについての記事です。

 

歯科矯正治療は必要なもの?

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私が子どもの頃、「芸能人は歯がいのち」というキャッチコピーがありました。そのキャッチコピーが表すように、歯並びがきれいな人はそれだけで好印象を持たれやすいものです。

多くの人は、「歯の矯正治療は見た目を良くするためにする」という認識を持っています。確かにきれいな見た目も大切なことですが、矯正治療の本来の目的は「歯が本来持っている機能を最大限に生かすこと」にあります。しっかり噛める、ということは、私たちの健康を考えるうえで、とても重要なことです。

 

子どもの歯並びを守るために自分でできることはあるの?

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歯の矯正治療を行うのは歯科医師になりますが、自分の子どもを、悪い噛み合わせや歯並び(「不正咬合(ふせいこうごう)」といいます)から守るために、保護者のかたができることがいくつかあります。例えば

  • 子どもの時から虫歯をしっかり予防すること
  • 片噛みやほおづえなどのクセに注意すること
  • 食事のときに口唇を閉じてしっかり噛ませること
  • 姿勢を正し、仰向けで寝ることを心がけること

などです。その他にも、日常のさまざまな生活習慣を改善することにより、歯並びやかみ合わせの異常を予防できる場合があります(遺伝的な原因である場合はこの限りではありません)。

正治療をする予定がなくても、このような日常の小さなことを注意してみておくことはとても大切です。

また、指しゃぶりや唇を噛むなどの、いわゆる「口腔習癖」も、不正咬合の原因のひとつです。気をつけるべき口腔習癖については、別記事にて説明いたします。

 

子どものうちから治療を開始するメリット

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正治療は子どものうちに始めた方が効果的と言われています。理由はいくつかありますが、大まかに以下の2点が挙げられます。

  1. あごの発達を治療に利用できるので、治療期間が短く済んだり、矯正のために歯を抜かなくて済むことも出てくるから
  2. 正しい歯並びは虫歯や歯周病の予防につながり、呼吸や発音を正しく行うことを助けるから

正治療はあごの骨の成長を利用するほうが有利なうえ、虫歯や歯周病の原因を作らないためにも、子どものうちに始めた方が効果的です。あごの成長がとまってからでも治療は可能ですが、歯の移動が円滑に進まず、治療が長引くことがあります。

歯科矯正治療のメリット

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正治療の目的が「歯が本来持っている機能を最大限に生かすこと」にあることから、歯科矯正治療には「見た目の改善」以外にも多くのメリットがあります。簡単にまとめますと、以下の通りです。

  1. 顔つきのバランスがよくなる(口腔周辺の筋のバランスが整う)
  2. 悪い噛み合わせや歯並びを予防する(永久歯の生えてくるスペースの確保など)
  3. 虫歯や歯周病の予防ができる(歯並びが綺麗だと日々のメインテナンスがしやすい)
  4. あごの骨の成長を正常にする(歯列不正が原因で顎の成長が阻害される場合がある)
  5. 歯を通じて、健康への意識が高まる

 

「自分の噛み合わせや歯並びが原因で自信が持てない」という、精神的な問題を抱えているかたも少なくないと思います。私の場合は、上あごが前に出ている「上顎前突」という状態で、子どもの頃には「出っ歯」とからかわれたことがあります。笑うと上の歯ぐきが見えてしまう「ガミースマイル」という状態のため、特に思春期の頃は思い切り笑うのが恥ずかしいと思っていました。

噛み合わせや歯並びは、遺伝的に決まる部分が多くありますので、ご自分が悩んだことがある場合、子どもの噛み合わせや歯並びに問題はないか、それが原因で悩んでいないかは、きちんと見ておきたいものです。

 

いつ頃から始めるのがよいか

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正治療は子どもの成長・発育期に行うのがよいとされています。しかし、幼児の場合は治療自体が困難な場合もあり、ある程度の年齢に達してからの治療が好ましいともいえます。
正治療の要不要を判断する概ねの時期は、上下の永久歯の前歯が4本ずつ生えた頃となります。ケースにもよりますが、早期治療は7~8歳、本格矯正治療はすべての乳歯が永久歯に生え代わった、11~14歳ころから始めます。

しかし、これはあくまでも目安となる矯正治療の開始時期です。たとえば、受け口や開咬、交叉咬合などは乳歯列の時期に治療を開始したほうが良い場合もありますし、あごの成長を利用して治す出っ歯のケースは少し早めに始めたりもします。幼児期のクセや乳歯の虫歯が歯並びに影響を与えることもありますので、予防のために早めの受診をお勧めしています。

歯科の矯正治療は小学生から中学生に治療開始することが多いのですが、近年では青・中・高年の方々も治療が可能となっています。矯正を考えているという場合は、一度かかりつけの歯科医院に相談してみてください。

 

まとめ

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歯科矯正治療はほとんどの場合で自費診療になるため、気が進まないというかたもいらっしゃると思います。しかし、その目的を考えるとメリットは多くあり、治療を検討する価値が充分にあるものだといえます。この記事が歯科矯正治療への興味・理解に繋がって頂ければ幸いです。